学習能力は訓練で高めることが出来るのか?
シルバメソッド開発者、ホセ・シルバ氏は、1914年8月11日、アメリカのテキサス州ラレドに生まれました。
4歳で父を亡くし、母はまもなく再婚したので、彼は姉や弟と共に祖母の元に移りました。そして6歳の時から新聞売りや靴磨きなどをして、家族の生 計を支えるようになりました。夜は姉弟が勉強するのを見守るかたわら、自分も読み書きを教えてもらいました。このような家庭の事情から、ホセは生涯、学校 に通って学んだことはありません。
ホセが貧乏から立ち上がったきっかけは、ふとしたきっかけからラジオの修理業を始めてからでした。年と共にホセの店は町でも最も大きな店になり、金銭的な不安は無くなりました。
アメリカでは、当時から貧困層と富裕層の二極分化が顕著で、貧乏はいつまでも貧乏という現実がありました。確かに、ホセも子供の頃は貧乏でした。しかし、まじめに学び、仕事をした結果、金銭的な不安はなくなりました。
では、どうしたら、貧困層の家庭に生まれた人間が、富裕層とは言わないまでも、金銭的に不安のない生活が送れるレベルにまでそんな経験から、ホセ はメキシコ系の彼の家庭は、貧しく、子沢山でした。若い頃から学校に行くことがかなわず、家庭の事情から働かざるを得ませんでした。ラジオの修理工として 貧しい暮らしから抜け出すためには、教育が何より大事であることをホセは知っていました。そして、子供たちにはシッカリとした教育を身に付けさせようと心 に誓っていました。
「どうしたら学習能力は、訓練により高めることができるのだろうか?」
ラジオ修理工としての経験、興味を持って勉強してきた精神医学や催眠術、そして、自分の子供の学習能力を高めたい、という目的を重ね合わせ、彼は子供達に様々な方法(スパルタ式、リラックスさせる、緊張して勉強させる、等)で学力を高めるための実験を開始しました。
ホセは電気技術者としての経験から、抵抗の最も少ない回路こそ、電気エネルギーを最もよく利用できることを知っていました。人間の脳もある種の電 気を起こすことがわかっていたため、ホセは「人間の脳も抵抗を少なくすることによって、より効率的に働くようになるのではないか?」と仮説を立て、実験を すすめていきました。
その結果、催眠術を用いてリラックスさせ、勉強させたときの方が、当時主流だったスパルタ教育法よりも、子供達の成績は着実に向上していきました。
しかし、催眠状態ではものを推測したり、理解したりする思考能力の向上は認められませんでした。
「どうしたら記憶力だけでなく、思考力も高められるだろうか?」
ホセは、催眠術をあきらめ、さらに研究を進め、意識を保ったまま脳をリラックスさせ、集中力を高め、その状態のままホセが子供に問題を与え、子供 達がイキイキとしたイメージを思い浮かべて考え、解答する、というトレーニングを開始したところ、子供の成績はぐんぐん向上していきました。
しかし、それで終わりではありませんでした・・・
(シルバメソッド8オリジナル サブ・テキストP10より抜粋)